2026年春に、2025年にリベラルアーツゼミに参加された方でZINEを出しました。
タイトルは「いひょう」
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コンセプト
医療者は、生物医学に基づいた「疾患」しか見えておらず、「治療」に夢中で、患者の人生を引き受けるような度量を持っていない。
医療者は、解剖学のまなざしで人体を分析し、病理学のレンズで人間の正常と異常の間に線を引く。
それはそれで、真実の一部だとは思います。
とはいえ、生物医学に携わる医療者たちが、みな能面を付けて一律に、数値化された・解剖学的な身体だけに向き合っているかというと、当然も当然、そんなことありません。
生物医学のレンズを磨き上げつつも、社会・文化的なレンズも持っているし、自分自身の人生経験によって形成された価値観だとか、今日の体調だとか、天気とか、政治のこととか、パートナーと喧嘩したとか、いろんなことを全部しょい込みながら、私たち医療者は今日も現場に立っています。
だから時に、モヤモヤする。
だって、一つのレンズで見ると正解でも、別のレンズで見ると違ったりするから。
だって、患者さんの人生の物語をわきに置くのと同時に、自分の人生の物語もわきに置かざるを得ないから。
そういうモヤモヤを言語化したいとき、人文学・社会科学の学びは支えになってくれます。
日々、「自分自身が至らないせいで」と思っていたことを、構造上の問題として語りなおしうることに気づく。
生物医学を信奉するばかりではない自分のことを肯定し、近代性への違和感の急所を突き止めることができる。